2010-07-15

夢のあとさき、のあと

あらためて、決勝ものすごくタフな試合になったんだな~

オランダはあれがたぶん唯一勝機をつかめそうなやり方で、実際、数はそれほどなかったけどあわやのシーンがあったから、先に一点とれれば、たぶんそのまま勝てたのかもしれない、と思う。しかし、オランダのチャンスが裏への、スペースへのパスから生まれていたのは当然として、スペインは驚くほどタイトなところにパスを通して、力と技術でチャンスをつくり出していたから、その差はあらためて見てみると結構ある。

近くに相手がいるところでも、信じられないくらい速く正確なパスを通して、しかもそれを一発でコントロールして次につなげていく、そうした個々のプレーは有機的に組み合わさって全体の戦略に奉仕する。個人あっての高度な組織であり、高度な組織あっての個人・・・
優勝に相応しいチームの優勝だった。

ところで、
審判についていろいろ言われているけれど、私見ではかなり頑張っていたんじゃないだろうかと・・・
グランドレベルで、あのレベルの試合を見て理解・解釈して判断する、というのは並大抵のことではない。
狡猾なスペイン、野蛮なオランダ。
二種類の質の異なる悪意と汚さの中でのゲームコントロールだ。

機械的な技術の導入が話題にのぼっていたけれど、個人的にはサッカーは今のような審判のあり方を基本に進むべきだと思う。完璧にハイテクに頼るなら、選手ひとりひとりとボールの位置を把握して、リアルタイムで解析すれば済むことかもしれないけれど(言うほど簡単じゃないのも確かだが)、
そういう方向ではないところにサッカーというものの本質があるような気がする。一試合に何度かのビデオを利用してのチャレンジ・システムは面白いかもしれないけれど、それはさほど重要なこととは思えない。

誤審があり、プレーヤーとレフェリーの心理戦や騙し合いがあり、不条理もあるのがサッカーなんだ、
などと言っては、もはや時代遅れなんだろうか・・・

2010-07-12

夢のあとさき

終わってしまった・・・

結果から言えば、もっとも優勝に相応しいチームが優勝したということになる。
予選リーグの戦いは結果だけではなくあまり感心しなかったスペインだったけれど、16up以後は見違えるようにすばらしいチームとなり、個人と組織、部分と全体が美しく調和したサッカーで、凄みをみせてくれた。

とか何とかいいつつ、実は延長戦に入って睡魔に負け、肝心のところをみてないんだな~これが><

というわけで、試合をちゃんと見直すことにしよう・・・

2010-07-09

決勝だ

中途半端に忙しくして、誕生日だといって自分勝手に酒を呑み、何となく日を過ごしているうちに、最終局面に進んできてしまった。

思い通りにいかなかったときに必要な「変化」を誰ももたらすことのできなかったドイツ・・・
失礼ながら、予想外に「よい時間」を持続できたスペイン、
と言うわけで終わってみれば非常に順当な勝敗でした。
どちらも、優れた個の力をベースに、例えばスカウティングまでを含め、非常に高度に戦略的な戦いができるチーム。これまで言われてきたような「組織」のさらに先、有機的に統合された全体像としてのチームのあり方、戦略的な戦い、そしてそれがうまくいかなかったときの構造的な変化・変更、
そんなレベルの戦いにトップクラスはどうやら突入したようだ。

個人では勝てない、戦術レベルのチームワークでも勝てない、
難しいものになってきてるな~
ふり返って我が代表の戦いをみても、決勝T進出のカギはそこにあった。
個人対個人で劣るからの「組織」などではなく、まずしっかりと個人レベルで戦えてこその、局面での「組織的」戦術が、かなりの程度まで戦略的に実現できたからこその結果で、ある意味、高いレベルの戦いの入口まで到達できた、と言えるかもしれない。
とはいえ、すべては時々刻々と変化してとどまらず、このワールドカップにしても「一瞬」のこと。すべてがもはや「過去のよい思い出」に過ぎない。

さて、決勝。
「よい時間」をある程度長く保てれば、スコアは僅差でもスペインが力通り順当に勝つだろう。それを阻止するため、オランダもまたじぶんたちの「よい時間」を最大の効率で利用しようとするだろう。気持ちよくやらせないためには、これまでの試合以上に、オランダは「汚い」プレーで立ち向かうはずで、もちろんスペインも負けてはいないだろう。
スペインの優位は確かとしても、結果は予測不可能です。

ウルグアイ対ドイツは大差でドイツが勝つ可能性が高いけど、違う流れになるかもしれない・・・。
どっちにしても残り二試合。プロフェッショナルで、汚く激しく、過酷な戦いになるだろう。
そして最後の最後は「人間」の問題に・・・
もうちょっと早い時間にやってくれればな~><

2010-07-04

Don't Cry for Me Argentina・・・

なんかすごいことになってしまった。

決してチームとしてうまくいっていたとはいえないアルゼンチンだけど、能力不明の超カリスマ監督のもと、よくわからない進撃を続けていたが、調子に乗っているドイツに蹂躙されてしまった。
たぶん、こんな感じのチームがベスト8まで進むことなど、もう二度とないかもしれない。
そういう意味では貴重なものを見たことになる。

英雄の時代、偉大な人間が偉大な輝きを発する時代が終わり、 より高度に訓練され、組織化されたものたちが生き残る。
それでも英雄は死なないだろう。
少々コミカルな存在になってしまったとしても、英雄は英雄にほかならない。

ブラジルが去り、アルゼンチンまた後を追い、パラグアイは良い試合をしたけれど武運が足りなかった。アメリカ大陸優位ではじまった大会は、4強で大きく様子を変えてしまった。

マイクロソフトの新技術

と、聞けば、誰でも何か電子的なデバイスやプログラミング上のものなどを思い浮かべる、
のが、まあ、当然なんだけど・・・

最近発表された、電池の+ーを気にしないでいれられるという、InstaLoadは、なんだか「発明コンテスト」銀賞みたいでおかしかった。電気的な処理一切なし、電池の端子の形状を工夫して解決、だから、二股ソケットなんかに近いノリのもの。

これがyahooのコメントありニュースになったので、中身も確かめないで「ダイオードによる全整流回路だろうけどロスが多い」とか、「そんなの昔からあるけどコストが高くなるから誰もやらないだけ」とか、
「そんなことに技術を使ってライセンス料とるな」とかの書き込みが相次ぎ、しばらくすると誰かが真相に気づくんだけど、時間がたつとまた、元の木阿弥状態に・・・。

「新技術」の内容そのものは、ま、そんなのも状況によっては便利だし、ユニバーサルデザインの一部だな、ということで、コロンブスの卵的な手際ににやりとさせられる。

しかし面白いのはこれに短絡して、電気的知識(どれくらい本物なのかな~^^)を振りかざす人たち。
ちょっとした検索で情報を得ることさえできないくせに、勝手な思い込みで面倒くさいことを書く素人・・・。

ま、いらいらさせられることもあるけど、
広い意味では、そういう方々のおかげで、お給料がいただけるのですが・・・

2010-07-03

さよならオグリキャップ

死亡の報に感慨深し。

いわゆる「地方馬」で中央競馬に名を残した馬は少なくない。
みんな忘れられない。
アズマキング、イナリワン、ヒカリデュール、・・・ハイセイコーは言うにおよばず、だ。
薬物疑惑の中で姿を消したステートジャガーも。
もともとどういうわけかこういう馬に思い入れをしていまうたちで、 そんなわけだからオグリキャップは、馬券は別として、いつも応援していた。いろいろ意見は分かれるところだろうし、負けたレースではという気もしないではないが、ホーリックスのレコード勝ちの2着に負けたJCが一番記憶に残っている。他の馬との戦いであると同時に、無謀な使われ方との戦いでもあったこのレースで、
オグリは本当に健気に走り、偉大な資質をあますところなく見せてくれた。

やがての最後の有馬は御褒美だったか。
めざましい子を出すことはできなかったけど、本当に実力だけでつかんだ種牡馬としてのチャンスだった。
兎も角、ありがとう、ゆっくり休んでください。
本当はまだまだ走りたかっただろうけれど、その時は終わった。

栄光何するものぞ、だがしかし、誰か夢なき・・・

カカーの涙

ブラジル敗退・・・

いかに技術・体力あらゆる面で勝っていようとも、負けることがあるのがサッカー。
昨夜のブラジルは、負けるとしたらこんな感じかも、という負け方だった。
前半と後半ではまったく違う試合・・・オウンゴールはわが代表の専売特許かと思ったら、そうでもないらしい。ジャブラニとブブゼラというふたつの奇妙なパラメータがいくらかは関わったのか。

それにしても、あの、強いオランダが「弱者としての戦い」を強いられていたのは、予測したこととはいえショッキングなことだ。

上には上がある。

ブラジルの敗戦の中では、「黄金のカルテット」を擁した82年を思い起こさせるものでもあったけど、
今回はむしろ、現代的に高度に組織化されたが故の、 いったん崩れたゲームプランの先に、何かを立て直すことの困難さ、の問題でもあり、事情はかなり違う。

ふてぶてしいようで、少年の面差しの残るカカーの試合終了直後の映像をみているうちに、予定していたことと実現することが一致し難い、ピッチ上の事はピッチ上で解決しないといけない、そんなサッカーの本質をあらためて教えられた感がある。

さて、この後は・・・
オランダが悲願を達成するのかどうか・・・
ウルグアイには悪いが紙一重の優位があると思われるので、 相手はディエゴとリオネルのアルゼンチンか、はたまた若武者ひきいるドイツか、脆さと美しさ、弱さと強さの同居したスペインか・・・「弱者としての戦い」の専門家・パラグアイか・・・

と、書きつつ、今大会のオランダには頂点にたつべき何かが欠けているようにも思うので、優勝はオランダを破るどこか、じゃないかという気がしてきた。

ま、スペインにポルトガルが勝つと思ってた勘違いの俺予想だからな~・・・

2010-07-02

ワールドカップは続く

いよいよ面白いところにさしかかってきた。

そこに我が代表がいないのは寂しいが、その反面、純粋に楽しめる。
それは兎も角
これからの代表はどんな具合に何を足して、何を伸ばしてゆくことになるのだろう。連動する複数の献身的なプレーによるディフェンスが侮り難いものであることは証明できた。超一流には相当な差があるけれど、「普通」のサッカー強国となら技術・体力ともに渡り合えることも証明できた。

となると、次は何を・・・
すべてに関してのレベルアップは当然として、そこにはやはり何か新しいものが欲しい。例えばフォーメーションの流動性、もっと自由なポジションチェンジ。時間帯など試合状況によって超攻撃的にも、かつての「カテナチオ」的にもなるチームも面白い。
もちろん現実には、組織としての守備、というひとつの方向がもうしばらくは続くことになるだろう。
とは言ってものべつ幕なしに強い相手と戦うわけじゃないので、いろいろな可能性を試すことができるはずだ。

そのためには、柔軟で構築的な論理をもつ優れた監督が必要になるのだが。

2010-07-01

パラグアイ、優勝しちゃってw

あらためて今日、試合を再検証。

よくやってはいたけれど、もう少し攻撃的にならなくちゃいけなかったな~と痛感。その結果は失点にも繋がったかもしれないけれど、2点とって勝つ、ぐらいの意識でよかったのではないだろうか。
未だに日本の個人技のレベル低いとか、実態をまったく見ていない意見を吐く人がいて吃驚するけれど、実はそのあたりは既にかなりのレベルに達していて、だからこそ次のステップが難しい。もちろん、スペインがポルトガルから得点したときのような、精度・速度ともにもの凄いパスの連続、と同じレベルのプレーはなかなか実現しないと思うけれど、それは日本以外でも同じこと。
世界レベル(いい加減で嫌な表現だ)をブラジルとかアルゼンチンとかスペインに置く必要は全然ない。

突出したチームが、もう少し下手な、あるいは未成熟なチームに負けることだってある、という事柄全体が、要は今のサッカーのレベルにほかならない。だから、無論、パラグアイには勝つチャンスが充分にあったわけだ。大多数とまでは言わないけれど、かなりの人数の日本人が逃げ込みたい、強豪に伍してよく戦った、胸を張って帰国してこい、的な感想も、 悪い意味での「島国根性」からの発想で、まったく安易かつ無責任で、情けない。
戦いに負けたことはもっと悔しがらなくちゃ。
ワールドカップに出てる以上、みんな対等の立場・条件で戦うんだし、出た以上、しかも予選リーグを突破しちゃったんだから日本も充分に「強豪」なのだ。

さて、ところで・・・
PK戦は、トーナメントの進行上の必要悪ともいえるもので、実にしょうもない仕組みだ。これが登場してきた時には「そんなんでいいのか」と子供ながら思った記憶がある。だから、その結果をあれこれ言っても、本来のサッカーとは無関係なこととしか思えない。駒野にしたって、ミスと言えばミスだけど、やっちゃったもんは仕方がないし、責めたって仕方ない。
大体、上手だからキッカーになってる訳で、上手な奴ほど外すのがPK戦であり、難しくなるのが3人目あたりから。PK戦はとにかく最初に蹴るのが一番楽で、自分も含めてその場の全員が頭を使い始める前に、さっと済ませてしまえば楽に決められる(一応経験済み^^)。

パラグアイの選手が外した駒野に何かを語りかけていたらしいが、両方のすべての選手にとって、PK戦など、くだらない、仕方のない、しょうもないものだからこそ、それに翻弄されるという点では同じサイドの人間として語りかけていたに違いない。一説には「おまえの外したゴールは俺が次の試合で相手にぶち込んでやる」と言ったともいい、これはこれでなかなかいい話だ(嘘だとしてもよくできた話だ^^)。

ま、そんな訳で、日本はパラグアイに負けたんじゃなくて、パラグアイに勝てなかっただけなんだな~。かつては公式記録も「PK戦勝ち」というのはなく、あくまで引き分けだったと記憶する。

こういうのを負け惜しみというのだけれど。