2014-11-19

実に二年ぶりの更新がこんな話に…(このポスト、おおまかなところFBと重複)

高倉健さん死去…
自分の中では、熱血漢でおっちょこちょいの網走番外地シリーズが一番よかった。
妙にストイックで渋い役を強要されても、それに応えることが出来てしまったのは、むしろこの人の「不幸」だったような気もする。
若い頃も、裕次郎や旭みたいな、太陽のように底抜けに輝くスタアではなく、上手や器用とは遂に無縁だったとはいえ、「技術志向」で「暗部」のある人だったと思 う。
本当は、もっともっとコミカルな演技を見たかった人で、欲を言えば、つくられたスタアの自分を笑い飛ばす自虐コメディなどもやって欲しかった。
後年、というより、近年、と言うべきか。スクリーンの中の高倉健は、いつの間にか「人類の驕った視線がとらえた絶滅危惧種」みたいなものに収まってしまった。そうして、生きた魅力が確実に失われる一方、それに反比例するように「世の中」の評価は漸く高まった。
ところが、困ったことに 、「最も美しい俳優」はそういう類の鑑賞にも充分堪えてしまったので(それはそれで良いのだけれど)、怒気も客気も、血も唾も、届かぬ距離から安心して毛皮を鑑賞されるだけの存在になってしまったんじゃないだろうか(などと言っては「皆様」のご不興を買いそうですが…)。
「ほとんどの役が前科者だった」自分が勲章をもらう照れ臭ささえ、「高倉健風」に言わないわけにはいかなかったのは、果たして果報か不幸せか…。 
新聞は簡単に「一つの時代が終わった」などと能天気な紋切調の確信犯で、まあ、そういうことなんだろう、一般的には。
石倉三郎氏のコメントを聞いてみたいけれど、簡単にコメント出されても興醒めだ。
ところで、死因となった「悪性リンパ腫」はうちの親父とおんなじだ。