2011-11-29

上海弾丸旅行

一瞬、上海に。

寅さん風に言えば、俺は本当に上海に行ったのかなあ、くらいの短い旅行でした。
滅茶苦茶にエネルギッシュで、何だかよくわからない大都会は、間違いなく東京より凄い都会だった。享楽的で刹那的、互いに心を許さず必死の覚悟で今を楽しむ、ようにさえ見える上海人はちょっと切なかった。最近、自転車のマナーがあれこれ言われるけれど、上海の自転車・電気バイクなどなどに比べれば、まったくもって文字通り「児戯に類する」ような違反でありマナーの悪さ。大多数の日本人が無気力な馬鹿だとすれば(あ、言っちゃった・・・^^;)、上海人はやたらに威勢のいい、やる気満々の馬鹿揃い。そこがちょっと魅力でもある。

モーガンシャンルーは美大の学園祭みたいで面白い。日本ももっとギャラリーの展示スペースを広くとれると良いのに・・・。博物館は信じられないくらい悪趣味な建物の中に凄い展示があって、そのアンバランスが妙にいい。最上階の少数民族室は、普通は最後にたぶん飽きてしまって誰もゆっくりは見ないスペースだろうけど、天邪鬼な我々は最初にそこから見ることに。他の展示室とは違い、すべてのコンテクストから切り離され、意味を剥奪された衣服や服飾品が標本として立ち並ぶ。漢民族は「少数民族」をできれば絶滅動物にして剥製を飾りたいんだな、ということがあまりにもあからさまに示されていて、人事ながら恥ずかしささえ覚える。

朝の中山公園では、太極拳より社交ダンスの方が人気。
上海もまた高齢化が深刻な問題になりつつある。
踊れ、踊れ、今のうちに・・・上海はちょっと悲しい街。

2011-11-24

調子が悪い相棒

楽しみにしていたシーズン10なのに、何だか不調のまま進んでいる。
各エピソードそのものは、致命的な不出来とまでは言えないのだが、脚本の責任が大きいのだろうか、出来栄えはどうも今ひとつだ。例えば最近のものでは世間でも不評だった研ナオコが出た回。

プロットそのものはまあまあで、過去にもこの程度のプロットからそれなりに面白くなったエピソードは少なくないように思う。ただ、今シリーズにどうも通底 している、タメのない薄さ、みたいなものが顕著で、やはり出来栄えは薄味だった。これは沢山の人が指摘していることだけれど、とにかく研ナオコが歌も演技 も下手で、どうにもこうにも興をそぐ。いくらなんでもあの「サマータイム」はないだろうし、どう見ても伝説的ジャズ歌手じゃなくて、呂律の回らない婆ジャ ンキー(・・・つまり本人?)としか見えなかった。

流れで言えば、もっとゆっくりと研ナオコ犯人説の証明にアプローチし、ようやく準備が整ったところで、最後にささいなきっかけから(ア・プリオリに与えら れた条件からじゃなくてね^^;)真犯人へとずらされる、という必要があり、それだけがこの脆弱なプロットを面白くする道だったと思う。研ナオコが決定的 に脚を引っ張っていたとはいえ、もう少し何とかなったはずなのにな~という感が強く残念。

「相棒」の面白さは、物語内にきちんと世界が構築されていて、それゆえ、「テレビドラマ」としての多様なアプローチが可能になり、例えプロットやトリック は破綻していても、元来が荒唐無稽と知っていても、それでもある種の説得力を持ち得る、その世界の実在を信じられる、というところだと思うのだが、どうも シリーズ10は、これまでに培われた「実在感」は、損なわれるばかりで、まったく生かされていないように思う。

「小野田さん」や「花の里」の不在も大きい。前者は「警察と特命係と杉下右京」の歴史にいつも注意を向けさせ、いわば通時的な実在感の「証拠」の役割を担 い、後者は事件について知らない「たまきさん」、彼女と右京さんたちの会話によって、物語外にいる自分との間に共時的な実在感の契機が与えられていた、と 見ることができるかもしれない。特にいろいろな都合で後者が強引に取り去られてしまったのは大きな損失だ。また、これは前者に関わることだが、警察の自己 保存の機構と、ちょっと頭のおかしい杉下右京の正義があれこれと齟齬をきたすような部分も弱まってしまい、何だか偉そうにする変な刑事があまり頭を使わず に、予定調和で事件を「処理」しているように見えてしまうのが期待外れだ。このまま行ってしまうのだとすると(たぶんそうなのだろう)、噂どおりに最終シ リーズということになるだろうが、何だかそれならやらない方が良かったような気もする。

2011-11-17

ライラックのねぢ

現在目黒区美術館で開催中の秋岡芳夫展には、MF39(300cc版ランサーMkV)と「ゲールペット」が展示されているけれど、会場内をよくみると、他にもライラックがらみの写真が結構出ている。

その中に秋岡がDP90(ニューベビーライラック、試作車か?)を持ち上げているところなどもある(70キロなので何とか持ち上げられる重さです)。当時の記事などから推測すると、このニューベビーには秋岡らKAKが深く関わっていて、いわばライラック側の技術者に「デザインするというのはどういうことで、どう進めるべきなのか」を教える機会となったのではないかと思われる。しかし、皮肉なことにDP90はスマートさが裏目に出て売れ行きが伸びず、丸正の経営悪化の一つの端緒となってしまう。そんな関わりを経て、VツインのLS18からMF39/LS38の頃にはライラック側の林英治さんもデザイナーとして成熟し、KAKが直接関わる必要はあまりなくなっていたのかもしれない。MF39ではKAKの案がそのまま生かされているのは数箇所だけという。

その中に、河潤之介さんによる後輪のブレーキクリアランスアジャスターのちょっと変わったナットがある。工具なしにしっかり締められる一枚羽のその形は、時代が下り、例えばマンフロットの#115のようなパン棒なし雲台のクランプなどに、断面は違うが、形状の似ているものが出てきて面白い(マンフロットはよくこの形のクランプを使っている)。手で回しやすく力も入る、というう要求に応えるために同じ結論に達したとも考えられるが、あるいは両方にDNAを伝えた祖形があるんだろうか。

追記:
というわけで(どういう訳だか・・・)マンフロットの#115をオークションで手に入れてしまった。アダプターを買って面(つら)が合うようにやすって、スリックの安物カーボンにセット。向きをどうするのかちょっとまだ迷っているのだが、使い勝手はなかなかいい。普通のパン棒つきより使いやすいような気がする。もう少し試してみないとなんとも言えませんが。

2011-11-14

歩いた話

新宿-青梅43キロかち歩き、というのに参加した。

くたびれました。脚も痛くなりました。面白かったです。知り合い10何人かで出かけたので、その後の御酒も結構でした。

新宿の都庁前の公園を8時半にスタート。青梅街道に出て、ひたすら一本道を歩く。物好きな参加者1700人が、とにかく歩く。額面どおり本当に何も飲まず 食わずで8時間以上を過ごしたら、ゴール後に脳貧血気味になってしまった。体に悪いな~^^;。何だか全体にちょっと「ゆるい」感じの大会で、それが良さ でもあり、また来年の3月に出ようと思う(年二回開催の由)。

それにしても「かち歩き」っていう言葉は何だかちょっと変。「勝ち」の意味も込めている、と主催者は主張しているようだが、既にして「徒歩=かち」だか ら、さしずめ「かち歩き=徒歩歩」で「とほほ」か~、などと夕暮れの河辺(かべ、ここにある青梅市の体育館前がゴール)で脚をひきずっていた。

2011-11-10

ideosの帰還

docomoのシムを入れたまま行方不明になっていたideosが拾得されたという手紙が来て、保管先の碑文谷警察まで行ってきた。ちょうど一月で拾得さ れた東急バスから警察に移されたそうな・・・。

@@東急バスは盲点だった。てっきり、電車での帰宅時と思い込み、あちこち問い合わせたが何の手がかりもな く、それでも、何となく出てきそうな気がして放置していたところでした。ま、とにかく良かった、助かった。これをきっかけに少しはいいことがあるといいん だが・・・。

ideosは安物スマホというか、モバイル通信用のテザリングマシンというか、どちらにしても単体での使い勝手は値段相応でたいしたことはないのだけれ ど、やはり失くしてしまうとショックが大きく、しばらくはスマホの文字さえ見たくなかった。これで職場でもwebメールにつなげるしめでたしめでたしです。

2011-11-05

間違った日に仕事に行った話

タイトルどおりであります。

わが社は土日のどちらか出勤が原則なのだが、昨日帰りがけにホワイトボードを見ると翌日、つまり今日は出勤のようだ。となると 出勤することになる→それが間違い、という流れで、随分早く帰ってきた。帰りがけに寄り道してちょっとだけ地元の明日のイベント準備のお手伝い。30点あまりの写真の簡単な展示で、こういうことなら簡単で多少は喜ばれるので・・・。

夕刻、同じイベントの準備でやたらに飯をとぎ手が草臥れた細君と、新百合ヶ丘に食事に出る。近頃、わりに気に入っている安くない回転寿司をめざすも土曜と あって家族連れが行列で、初めての店、「asao grill」へ。グリル料理が売りのちょっと微妙にアメリカ風のダイナーは料理もサービスもまずまず。ハウスワインはもちろん「キャラフォーニアン」で、 かなり細身、というより薄手だが、飲みやすくて肉にはなかなか良い。注文は、このワインをキャラフェでもらい、ほかにシーザーサラダ、アボカドのカルパッ チョ、ミネストローネ、そして焼け目のついてるハンバーグとステーキ。味はとりたててどうというほどではないけれど、リーズナブルで感じもいいので、また 行こう。年配常連二人と我々を除き、若いカップルがぽつりぽつりと来る。こういう店もあるんだな。

夜は珍しくチャンネルを変えず単発の「火車」をみる。淡々と丁寧なつくりで、キャストもまずまず、いい感じのドラマだった。原作は面白いので、きちんとや りさえすれば見るに耐えるものになるといういい見本。上川隆也も寺脇康文もそこそこで、金田明夫や笹野高史が顔を見せ、子役はやたらに達者だし美保純、藤 真利子や茅島成美ら女優さんたちも良かった。目を引いたのは高橋一生。この人はもしかすると本物になるかもしれない。ゴリに栃木県人はいかにも無理だがご 愛嬌、おいしい役回り。逆に井上和香はいい雰囲気をもってるのだが、今回は上っ滑りでまったく駄目。芝居は何も出来ないのだからもっと一生懸命やってください。

と、まあ、今日は普通に日記を書いてみました。

2011-11-04

見なくちゃ



おお、こんな映画が公開されてるんだな^^

2011-11-03

鎌倉葉山行

仕事場に出かける気になれなくて、などという理由で休んではいけないのですが・・・。

11月1日。朝方は一日休んで休息、という気分だったのが、天気もほどほどに良く、ペリアン展の完成状態も見ておきたく、というわけで十時過ぎになってか ら突如思い立って出発。いつものように東名川崎の手前で右折して青葉台方面に向かい、江田駅東で246へ。だらだらした上り下りを何回か我慢すれば大和 で、そこから道なりに進んで467に入る。467は高低差がなく、そこそこの道幅なので昼間なら自転車には好都合。どんどん進めば藤沢で、さらに行けば江 ノ島なのだけれど市街を過ぎたところで32に左折。そのまままっすぐ海岸に出れば由比ガ浜だが、八雲神社で左折してトンネルを三つ抜け鎌倉駅前に。

さして急ぎもしなかったけれど、1時だいぶ前には到着し昼飯をさがす。結局大路に出て萱木家に。適度に古い建物といい、店の感じはいいのだが、いつ行って も肝心の鰻の味が少々呆けている。というより正確には行く度にどんどんと呆けて行く。安いのは有難いので、文句は言わないことにしよう(もう云っちゃって ます)呆けている、と言えば、横の卓の中年二人、老人二人の会話が何だか変。曰く・・・。逗子のマンションで自殺したのはだれだっけ。芥川龍之介だったか しら・・・。太宰治かな。ようやく川端までは出たけれど下の名前が出ないままこの話題はうやむやに。どうみても五十過ぎの娘婿(らしい。14年だそうだか ら、遅い結婚)がお義父さん、しんちゅうっていうのは鉄の一種ですか、と尋ねると、義父なる人は、ああ、あれな・・・ありゃあ黄銅鉱っていうのから採るんだよ、そのままぢゃあ使えねえから鉄に混ぜて使う、などと答える。店内は中高年だらけで、気がつくと背中の方の卓も似たような会話が飛び交っていて落ち着 かないこと夥しい。頑張れ中高年。

そそくさと食べ終わってペリアン展に。あと一つ部屋があればいいのに少々手狭。とはいえ坂倉の建物にペリアンはやはりDNAが共通していて良いマッチン グ。座れる椅子にも一応全部座ってみたが、見かけのわりに心地が悪い。中盤から先、スペースの制約から、映画の予告編みたいな様子。面白そうでいて結局 さっぱりわからない。ま、うちでは何とかなるでしょう・・・。そのまま帰ってしまおうと外に出たところで、会議から戻ったキュレーター・Nさんに遭遇。玉堂もいいですよ~M館長もいますよ~との仰せに従い葉山に向かう。

玉堂、なかなか良い展覧会で甲斐あり。ゆっくり見てから館長室にちょっと寄る。なんであんなにイギリスっぽい感じの絵が、と問えばラスキンですから、と適 役の的確な答えに納得。玉堂っていい絵描きだけれどスケッチ・素描は割に下手ですね~(目がどうも悪かったようで、悪くはないが、実際さほどうまくな い)、それは担当者には言わないように、すごく感動してるんですから泣いちゃいます、などと言ってるうちに、11月の太陽早くも海に傾きかける頃となり、 慌てて退散。

藤沢あたりですっかり暗くなり、ゆっくりと家に戻ったら8時近くになっていた。走行120キロ弱、良い運動、おまけに良い展覧会。

2011-11-01

草臥れる

っていうのは何でこんな字を使うんだろう・・・。今度調べてみよう。

仕事一段落なのですが、何だかまだまだ未解決のことも多く、草臥れたままです。

まあ、一言で云えば、虚しいな~

こういう時はカメラでも買って気分転換・・・というのを目論んでいるところ。ペンタックスのQが今のところ第一候補。スナップに使っていたデータ用スマホ を落としてしまったので最近はカメラなしで歩くことが多くて何だか不安。とはいえ、それほど沢山撮影していた訳ぢゃあないのだけれど。Qはまずまずよく出 来ていて、あのサイズだから普段持ち歩き用に・・・。一眼の方は今のところレンズの関係もあり、E-5しか考えていないのだけれど、これが結構高いので、 いつになることやら><L10は悪いカメラじゃないんだけど、普通に使うとちょっと絵造りが鈍くてRAWで処理する方がずっと楽しいのだけれど、それはそ れで面倒くさい。