2011-11-17

ライラックのねぢ

現在目黒区美術館で開催中の秋岡芳夫展には、MF39(300cc版ランサーMkV)と「ゲールペット」が展示されているけれど、会場内をよくみると、他にもライラックがらみの写真が結構出ている。

その中に秋岡がDP90(ニューベビーライラック、試作車か?)を持ち上げているところなどもある(70キロなので何とか持ち上げられる重さです)。当時の記事などから推測すると、このニューベビーには秋岡らKAKが深く関わっていて、いわばライラック側の技術者に「デザインするというのはどういうことで、どう進めるべきなのか」を教える機会となったのではないかと思われる。しかし、皮肉なことにDP90はスマートさが裏目に出て売れ行きが伸びず、丸正の経営悪化の一つの端緒となってしまう。そんな関わりを経て、VツインのLS18からMF39/LS38の頃にはライラック側の林英治さんもデザイナーとして成熟し、KAKが直接関わる必要はあまりなくなっていたのかもしれない。MF39ではKAKの案がそのまま生かされているのは数箇所だけという。

その中に、河潤之介さんによる後輪のブレーキクリアランスアジャスターのちょっと変わったナットがある。工具なしにしっかり締められる一枚羽のその形は、時代が下り、例えばマンフロットの#115のようなパン棒なし雲台のクランプなどに、断面は違うが、形状の似ているものが出てきて面白い(マンフロットはよくこの形のクランプを使っている)。手で回しやすく力も入る、というう要求に応えるために同じ結論に達したとも考えられるが、あるいは両方にDNAを伝えた祖形があるんだろうか。

追記:
というわけで(どういう訳だか・・・)マンフロットの#115をオークションで手に入れてしまった。アダプターを買って面(つら)が合うようにやすって、スリックの安物カーボンにセット。向きをどうするのかちょっとまだ迷っているのだが、使い勝手はなかなかいい。普通のパン棒つきより使いやすいような気がする。もう少し試してみないとなんとも言えませんが。

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