2012-01-23

Kが大好きだった、そうな・・・

コダックがいよいよ駄目になったらしい。「つけ麺大王」のカウンターにあった新聞によると、だけど。

仕事でも何回か日本法人にお世話になって、ロゴもおなじみだし、何より、30年ほど前、今の団地に引っ越してリニューアルする時に、スチールのドアの内側(ほかあちこち)を、ペンキ屋の親方にフィルムの箱をちぎって見本にして、この黄色にしてください、とお願いしたくらい、黄色いパッケージは大好きだった。ま、その頃はまだあんまり写真は撮らなかったし、ポール・サイモンの歌があったからと言うわけでもないのだけれど。ちなみに、「僕のコダクローム」はもともとCMソングじゃなくて、逆に90年代になってからCMにも使われたが、自分が覚えているのはもちろん70年代、S&Gが袂を別った頃のこと。

経済欄の受け売りなど試みてみると・・・フィルム撮影の衰退によりコダックやフジをはじめそれで食っていたところは皆、業態の変換を迫られたけれど、それがうまくいかなかった、というのが根本的な原因、とある。今頃、何を言ってるんだか、という話だけれど、まあ、結局はそういうことなんだろう。もちろんコダックだってデジタル化を指をくわえて見ていた訳でもなく、オリンパスと一緒にフォーサーズ規格をつくり、優れた撮像素子も送り出していた。しかし、「なりふり構わず」とさえ言える変貌で生き残ったフジなどに較べると、やはり本業への拘りがあって、普通それは良いことだろうと思うのだが、こういう事態には対応しにくかったらしい。一昨年にもコダックが再びフォーサーズ規格の撮像素子をオリンパスに、という噂があったけれど実現しなかった。なんだかオリンパスとコダックじゃ「泥船連合」(失礼><)みたいで悲しいが。

記者氏の書くように、それが、信念がなく小回りがきく日本式経営と、時に信念が変革を邪魔する古いアメリカ式の経営の違いによるものなのかどうか。それはわからないけれど、どちらにしても誇り高い一族経営で写真の歴史をつくってきたロチェスターの会社には、残酷だけれど、生き残る能力、適性がなかった、ということになる。「中国のメーカーからOEMで安いデジカメ入れて、後、会員制のフィットネスクラブとホテルの経営を強化して、燃料電池のベンチャーに投資したいんですが」「それはならん。我々こそ写真の歴史そのものなんじゃ」「お爺さまは今、このアメリカで起きていることがおわかりになっていないのです」「おまえにはまだわかっておらん。古今東西、人間とは同じようなものじゃ」・・・な~んていう会話が展開されたりしたのかしら。まさかね。

デジタルのカメラは確かに簡単に楽しめるし、一方、深く掘り下げれば、写真として考えたりやったりすることも沢山ある。しかし、「写真を撮るよろこび」については今は措くとして、実際問題として、今でも大判のポジを撮影してそれをデジタイズした方が、実は手軽によい画質を得られる。もちろんそれには、いいフィルム、まともに写真の撮れるカメラマンとか、プロラボとか、いろんな過去からの資産が使えてこそ、ではあるけれど。その「資産」が急速に衰退しているのがこの時代なんだな~

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